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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
一つの 「カテゴリ」 で一つの記事となってます(記事は古い順に並んでます)。同世代のおっさん向け。

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9条どうでしょう

9条どうでしょう

このブログは、元々はぼくのごく親しい友人たちに向けて書いているもので、言わば場末の居酒屋でおっさんたちが顔つきあわせ、昔のテレビを懐かしみつつ無駄な深読みをしてはニヤニヤしている不気味な光景・・・そのまんまのものだ。
もしも現実にそんな光景に出くわしてしまったなら、ぼくなら出来るだけ離れた席に移るか、まだ残っているツマミに未練を残しつつもそっと店を出るかするだろう。

ところが困ったことに、ここはインターネットの世界なので、何の罪もない若い人がウッカリと迷い込んで来てしまう可能性が過分にある。しかもその人は大変な向学心の持ち主で、文字がズラズラ並んでいると何でも一応は読んでしまう生真面目な人である危険性もある。するとここに悲劇が起こり、ブログ主がしたり顔で一般論のようにまくしたてる言葉の指す内容が、彼にはサッパリ理解できないという事態が起こりうる・・・。

つまりは「アメリカ」だの「平和憲法」だのと言われても、それぞれが属する世代によって持っているイメージが違うんじゃないか、ということだ。例えば「アメリカ」だが、ぼくらの世代なら1980年代に日米貿易摩擦に敗北したアメリカが逆上して、日本車を壊したり燃やしたりする有り様をテレビでみた(ジャパンバッシング)。

それはごく短期間の祭りではあったが(しかもバブルの崩壊で何十倍にも割増して報復されてしまったが)、思春期にアメリカの敗北を目にしたぼくらは、上の世代のように何が何でもアメリカ様という感覚は薄いと思う。そしておそらくぼくらより若い人には若い人なりの、アメリカ観があるだろう。

だがこのブログで問題にしているのは、1970年代を中心にした20年くらいの期間に作られたヒーロー番組についてだ。その頃のぼくら世代は鼻水たらしたクソガキで、テレビはただただ観る側にいた。番組を作っていたのは主に昭和ヒトケタから焼け跡世代の人々で、彼らこそが戦後の日本を作った人たちでもあった。
なのでこのブログにおける「アメリカ」やら「平和憲法」やらは、彼らの世代の感覚で語られなければならない。

ということで前置きが長くなったが、このブログで扱っている「アメリカ」やら「平和憲法」やらについて、ここで改めてザッとまとめておくことにする。
参考書は内田樹という先生の書いた『9条どうでしょう』(2006年・毎日新聞社)。内田樹さんは1950年生まれとのことなので、焼け跡世代より若い団塊世代あたりに属する人だが、下の者のほうが上がよく見えることは多々あるので構わないだろう。

本の中でまず内田さんは、日本国内では矛盾した存在と見なされる「平和憲法」と「自衛隊」は、アメリカ側から見ればまったく矛盾しないことを指摘する。つまり”アメリカの利益のために日本は戦争をするな”という命令と、”アメリカの利益のために日本も多少の軍備はせよ”は、アメリカにすれば純粋に自分の利益を押しつけていった結果にすぎない。

しかし押しつけられた側の日本からすれば、この矛盾をそのまま受け入れてしまうと(内田さんのいう)「奴僕国家」であることさえも受け入れてしまうことになる。
そこで日本人はこの矛盾を、我が国の”国内問題”であると考えることにした。護憲派と改憲派に自ら分裂し、自ら対立し、解決不能の国内問題だと思い込むことで「奴僕国家」という外交問題から目をそらし、それを心の奥深くに隠蔽しようとした・・・。

以上、テキトーな要約だが、もっと正確に知りたい方は、内田さんご本人のブログなどを参照してください。
内田樹の研究室


さて、これで共通の認識ができたところでヒーロー番組の話題に戻るなら、ヒーロー番組にはしばしば上述した日本の「矛盾」が表出してしまっていることは、今や十分理解されることと思う。
鉄人28号』や『ジャイアントロボ』では何故「アメリカ」が忌み言葉、タブー視されているのか?
マジンガーZ』は何故、改造のたびにいちいちアメリカ人に”お許し”を得なくてはならないのか?

ヒーロー、特に巨大ロボはまさに「軍事力」に他ならず、それは鉄人28号を設計したのが旧日本陸軍であったことからも明らかなことだ。そして日本人がそんな軍事力を手にしたとき必然的にぶち当たる壁が、この国が「奴僕国家」であるという現実だろう。ドレイのくせに、アメリカにもない兵器を持つことが出来るのかと。

だからその問題をクリアするため『鉄人28号』はアメリカの存在自体を無視する以外なかったし、『マジンガーZ』はその国外使用の可能性をアメリカ様に許可してもらうしかなかった。単独の記事にはしなかったが『ゲッターロボ』ではアメリカ製の巨大ロボとゲッターロボが共同して敵に当たるストーリーもある。

内田さんは本の中で、「奴僕国家」の現実を国内問題にすりかえて先送りしてきた日本人を「可憐」だと言う。
だったら『鉄人28号』も『マジンガーZ』も同じく「可憐」なのだろう。
昭和ヒトケタや焼け跡世代が作る物語は、日本人の哀しいまでの「可憐」さを背負った物語だったということだ。


だがここに、一見すると日本人の「可憐」さを最前面に押し出しているように思わせながら、その実「奴僕国家」である現実の方を強烈にぼくらに刷り込んでしまうような作品がある。そしてそれは、他でもない内田樹さんらの世代、すなわち団塊世代近辺の人たちに強い影響を及ぼした作品でもあった。

巨人の星』だ。

つづく

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