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竹波エーイチ

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趣味 - シュミラン

宇宙戦艦ヤマトと忠臣蔵

スターシァ

江戸の頃から民衆の間で絶大な人気を誇る作品に『仮名手本忠臣蔵』がある。

本作は上演すれば必ず大入り満員御礼となる演目として有名で、かつては不況だったり劇場が経営難に陥ったりしたときの特効薬として「芝居の独参湯」と呼ばれることもあったほど(Wikipedia - 仮名手本忠臣蔵)。


ストーリーはわざわざ書くまでもないと思うが、要は主君の仇討ちの話だ。
主君は塩冶高貞で、実在した赤穂藩主・浅野内匠頭がモデル。仇討ちのリーダーは大星由良之助という架空の人で、赤穂藩家老・大石内蔵助がモデル。殺され役は高師直。塩冶高貞と同じく実在の人物から名前だけ借りた人で、モデルは吉良上野介。ストーリーの元ネタは『太平記』から持ってきたそうな。

もちろん、当時の観衆はこれが実際にあった「赤穂事件」を描いていることは百も承知。しかし「赤穂事件」そのままだと幕府批判が露骨すぎるので、時代を南北朝時代にして、登場人物も鎌倉末期の人に入れ替えているということらしい。「赤穂事件」を知らない人には「太平記」にしか見えないが、その実、本当に描かれているものは別のものというわけ。

それほどまでに幕府の監視が厳しかったということなんだろうが、とにかく江戸時代から今に至るまで、日本の庶民に一番人気のあるドラマがこのような二重構造を持っていたこと。ぼくは、この点に非常な興味を感じる。ハッキリとは口に出しにくいことでも『仮名手本忠臣蔵』の手法を使えば、暗黙の了解のうちに真意を伝えられる。それも『忠臣蔵』になじんだ日本人であれば誰しもが理解できる・・・。

結論から言ってしまえば、ぼくは『宇宙戦艦ヤマト』がそういった『忠臣蔵』パターンだったのではないか、と考えている。『宇宙戦艦ヤマト』は、あることをぼくらに伝えようとしたが、そのままの表現では色々と障害もあるので、『忠臣蔵』でいえば『太平記』にあたる”皮”のようなものが被せてある。ただし、ストーリーそのものの元ネタがあるわけじゃないので、その”皮”は登場人物たちの言動によって取り払われた・・・。そんな見方も面白いんじゃないかと思う。


と、いい気になって書いてみたが、もしかしたら『宇宙戦艦ヤマト』を一度もみたことがない人も読むかも知れないので、とりあえず冒頭部分のあらすじを書いてみる。

西暦2199年。大マゼラン星雲にあるガミラス星は、すでに星自体の寿命を迎えていた。そこに住むガミラス人は移住先を宇宙中に探した結果、地球に目を付けた。ガミラス人は冥王星に前線基地を作ると遊星爆弾による地球への無差別攻撃を続けた。その結果、地球の海は干上がり、生物が生きられる条件は消え失せた。また遊星爆弾の放射能が充満し、人間は地下都市でかろうじて生き延びている状態に追い込まれた。地球防衛軍は幾度となくガミラス艦隊に戦いを挑むが、その戦力差は圧倒的で、もはや全滅寸前だった。

そんなあるとき、イスカンダル星のスターシャから通信カプセルが届けられる。スターシャは放射能除去装置(コスモクリーナーD)を提供するからイスカンダルまでとりに来い、と伝え、光速を超えられる「波動エンジン」の設計図を添えてくれていた。

地球が完全に放射能で汚染されつくされるまであと1年。人類に選択肢はなかった。ちょうど地球脱出用に改造中だった旧帝国海軍の沈没船、戦艦大和は「波動エンジン」を搭載されると、14万8千光年のかなたイスカンダル星に放射能除去装置をもらうために旅立っていくのだった・・・。


整理すると、ガミラス帝国は地球に移住したいので、地球人を滅ぼしつつ、地球を彼らの好む放射能で充満させようと思っている。一方、地球人は、その放射能を除去するメカをもらいにイスカンダルまで出かけようとする。
なお、その間に進行する地球の危機はどうするんだ? については、たまたまイスカンダルへのルート上に冥王星があるので、途中で叩いていくことになっていたようだ(これは見事に成功する)。

最も肝心な点は、ヤマトの目的がガミラス帝国と戦うことではないことだ。ヤマトはあくまで放射能除去装置(コスモクリーナーD)をもらうためにイスカンダルへ行こうとする。だが、当然のことながらヤマトのその行為はガミラスの利益に反するので、行く先々でヤマトvsガミラスの戦闘が起こる。
つまり、ヤマトには積極的にガミラスと戦う意思はないのに、いつもガミラスがちょっかいを出してくるので、やむを得ず反撃している・・・これが『宇宙戦艦ヤマト』の建前だ。

建前・・・すなわち、第一の「皮」だ。

つづく