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竹波エーイチ

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さらば宇宙戦艦ヤマト ~ガトランティスはアメリカか?

白色彗星帝国の摩天楼

さらば宇宙戦艦ヤマト』の敵役を、「白色彗星帝国」という。
以下、説明がめんどくさいのでWikipediaから引用すると、こうなる。

国号はガトランティス。国家元首はズォーダー大帝。アンドロメダ星雲方面から地球へ向かって圧倒的軍事力で宇宙の星々を次々と侵略していく。
人工国家・超高層ビルの集合による摩天楼・大国主義・国家利益追求による好戦志向・人種のるつぼだが国家指導層の殆どは特定人種が占める等、善悪は別として、アメリカをイメージした国と思われる

白色彗星帝国=ガトランティスが「アメリカ」っぽいことは疑いがない。
特に、ヤマトの果敢な攻撃を受けて周囲を覆う白色ガスが取り払われたあとの「都市帝国」の映像は、1978年当時の普通の感覚であればマンハッタンの摩天楼をイメージする他ないものだろう。

その白色彗星帝国=ガトランティスは、惑星を侵略しては植民地にし、そこに住む人々を奴隷にしていった。従わない連中には大規模な空爆を仕掛け、とどめは当然、核兵器の投下だ。
要するに、絵に描いたような模範的侵略者、それが白色彗星帝国=ガトランティスだ。
そして今作、ヤマトはその強大な侵略者の前に立ちふさがり、その野望を阻止せんとした。アメリカの帝国主義を打ち破れるのは、日本のヤマトだけなのだー!!

と書けば威勢が良いが、どこをどう見ても『さらば宇宙戦艦ヤマト』にはそう言った誇大妄想的な痛快さは存在しないように、ぼくには思える。地球においては冷遇され、白色彗星帝国との戦いは絶望につぐ絶望の連続。最後は一応の勝利を遂げはしたが、それを勝利と呼ぶにはあまりに悲しい結末が『さらば宇宙戦艦ヤマト』だった。

結論から言ってしまえば、ぼくは『さらば宇宙戦艦ヤマト』が白色彗星帝国をアメリカ帝国主義になぞらえて、それを倒すことで自慰的な満足を得ようとした作品だとは思っていない。それでは前作の繰り返しになるし、ベトナム敗戦で弱っているアメリカに後足で砂を掛けるような、卑劣な行為であるような気さえする。
『さらば』が訴えたかったことは、そんな卑屈な感情から来るものではないだろう。


『さらば宇宙戦艦ヤマト』で注目すべき点は、ヤマトの波動砲の使い方にあったとぼくは思う。

前作で発射された波動砲は5回。

1回目は木星の「浮遊大陸」に向けて発射。
2回目はオリオン座アルファ星の「炎」に向けて発射。
3回目はバラン星の「怪獣バラノドン」に向けて発射。
4回目はバラン星の「人工太陽」に向けて発射。
5回目はガミラス星の「火山脈」に向けて発射された。

一言でいえば前作のヤマトは、人が乗っていることが明らかである戦闘機や艦船に対しては、いっさい波動砲は使わなかった。
仮にも唯一の核被爆国である日本人が、軽々と人に向けて核を撃ってはならない。この点だけでも『ヤマト』スタッフの高い志が読み取れる好例だろう。『ヤマト』は決して、アメリカ人に過去の仕返しをしに行っただけの妄想系ではない。

ところが『さらば』でその事情は一転する。
テレザート星に向かうヤマトの前に「謎の」大艦隊がせまると、ヤマトは躊躇なく波動砲をぶっ放したのだった。まるでそこに「人」が誰もいないかのように・・・。

これはつまり、ヤマトのクルーがガトランティス人を「人」としては見ていない、ということを表すものだろう。
と言ってもそれは、人間以下の畜生だとか、人の姿をした鬼だとか、そういった詩的な意味ではない。ガトランティスが「敵」という役回りを与えられただけの、記号の帝国だという意味だとぼくは思う。

そこに「人」の実体はない。
だからヤマトは迷うことなしに波動砲が撃てた。
ならばガトランティスの野望というものにも、実は実体がないことになるだろう。それは、ヤマトに絶望を引き起こさせるための「強大さ」の象徴であり、人間がなしうる「悪」の集合体だった。

白色彗星帝国=ガトランティスは、アメリカ合衆国のメタファーではない。

そしてそれは、『さらば』のヤマトが戦った真の敵でもない。
ぼくはそう思う。

つづく

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