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竹波エーイチ

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マンダ 〜キングギドラへ

マンダmu

海底軍艦』(1963年)には、ムウ帝国の守護神として、怪獣マンダが登場する。このマンダは見かけがただの竜なので、幼少時は相当な怪獣好きであったぼくも、実を言うとつい最近まであまり興味のない怪獣だった。
しかし関沢新一という人物の存在を知り、「ゴジラ通史」とでも言うべきものを考えていくにしたがって、この今いちパッとしないマンダの立ち位置こそに、関沢ゴジラの原型ともいえるものが秘められていると感じられるようになった。

Wikipediaには、怪獣マンダについて次のような記述がある。

『海底軍艦/妖星ゴラス/宇宙大怪獣ドゴラ(東宝SF特撮映画シリ-ズ4)』によると当初は大蛇として登場する予定だったため「マンモススネーク→マンモス蛇(だ)→マンダ」と名付けられたが、映画公開の翌年(1964年)が辰年なので竜に変更された。


蛇から竜への変更。この流れは、古代アジアで実際にあった、蛇神から龍神への変化と一致していて興味深い。
同じくWikipediaから、関連した記述を引用してみると

・ヘビは古来、世界的に信仰の対象であった。
・インド神話においては(中略)蛇身神が重要な役割を果たしている。これらの蛇神の形象は中国での竜のモデルの一つとなったとも考えられている。
・仏教伝来以後の中国の竜もまた、蛇神ナーガのイメージから多大に影響を受けたことは想像に難くない。
・日本においてもヘビは太古から信仰を集めていた。豊穣神として、雨や雷を呼ぶ天候神として、また光を照り返す鱗身や閉じることのない目が鏡を連想させることから太陽信仰における原始的な信仰対象ともなった。
・(日本の竜は)様々な文化とともに中国から伝来し、元々日本にあった蛇神信仰と融合した。


そして現代の日本では、出雲大社が「龍蛇(海蛇)を神々の使者としてお迎えする神迎え」を行っているそうだ。
(http://jinja.aiai7.net/doubutu.html)

これに対し、ギリシャ神話ではまだ「ヘビは生命力の象徴」とされているものの

ユダヤ教やそこから発展したキリスト教、イスラム教ではヘビは悪魔の化身あるいは悪魔そのものとされたが、これは唯一神信仰が形成される過程で既存の原始信仰とその対象だったヘビを否定する意味があったのは確かだろう。(Wikipedia)


そうして見ると「龍蛇」への信仰というものは、かなり「アジア的」なものであるように思える。もちろん『海底軍艦』の「ムウ大陸」はアジアに位置した大陸なので、当然と言えば当然な話ではあるが、長い歴史の旅路の果てに、今なお出雲大社等で「龍蛇」への信仰がこの日本で継続されているという事実は、「ムウ大陸」が日本の遠い祖先であることを感じさせる。つまりマンダという守護神の発想は、極めて日本的なものなのではないか、とぼくには思える。

ところがこの守護神であり信仰の対象であるはずのマンダだが、劇中ではどう見てもムウ帝国人の手で「飼育」されている存在だった。
ムウ帝国と対立状態にある日本人を捉えた時、ムウ皇帝は
「マンダのいけにえにせよ」
と笑う。そしてムウ帝国の本拠を攻撃しようと轟天号が接近するやマンダは解放され、轟天号の侵攻を阻止しようとする。守護神と言いながら、ムウ帝国がマンダをある面では生物兵器のように扱っていたことは確かなことだ。
ただし、ここではその是非を問うているわけじゃない。
『海底軍艦』において、マンダがそういう存在であったという事実を言っているだけだ。

それともう一つ、マンダから派生する別のイメージがある。
それは「龍蛇」を「悪魔の化身あるいは悪魔そのもの」と見る、負のイメージだ。
日本神話においては、それはヤマタノオロチという姿として見ることができるだろう。ヤマタノオロチについては、洪水のメタファーと見る説もあれば、火山の噴火の際の溶岩流と見る説もあるようだが、いずれにしても人力の及ばない、圧倒的な力を表している。そして日本人はそういった大自然の破壊力を擬人化して、祀ってきた。
しかし西洋では、それは「悪魔の化身あるいは悪魔そのもの」として、打ち倒すべきものとして見られてきた。

ここにもしも、日本人から見ても否定すべき「龍蛇」が登場したとしたら、それは一体どういうものだろう?
おそらくそれは、東洋的な精神世界の外部から来たもの、はっきり言えば、西洋から来襲したものとなるはずだ。
西洋から東洋に来襲してきた「龍蛇」。
それがキングギドラだ。



※『海底軍艦』には明治時代に書かれた同名の小説があり、映画の原作としてクレジットされているが、そこにはムウ帝国も守護神マンダも出てこない。映画の99%は関沢新一のオリジナルと見ていいと思われる。
なお、小説『海底軍艦』は、ネット上で全文を読むことができる。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000077/card1323.html


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