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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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機動戦士ガンダム 地球連邦政府=アメリカ合衆国

デギン

カイ・シデンが、自分たちがその「盾」になっていると断言した「地球連邦」とは何か?
不思議なことに『機動戦士ガンダム』全43話のなかで、この「連邦」について語られたことはほとんどない。その歴史も政体も理念も、その他もろもろ、何一つと言っていいほど説明されない。

だが、それを子ども番組ならではの手抜きや省略だと考えるのは間違いだろう。
なぜなら、もう一方のジオン公国については、それらは十分過ぎるほどに語れているからだ。ジオン公国の首都はサイド3のズム・シティーにあるし、国家元首はデギン・ザビ。議会もあって、首相の名前はダルシアさんだ。国家理念はジオニズムだとか。

それでは何故、一見すれば「正義」の側に立つと見られる「連邦」についての説明はないのか?
ぼくの愛読書の一つに井沢元彦さんの『逆説の日本史』というシリーズがあるが、このなかで度々登場してくる主張にはこんなものがある。いわく、

当たり前のことは記録されない

井沢さんの主張は歴史書の読み方を指しているわけだが、これを強引に「連邦」に当てはめればこうなるだろう。
「連邦」とは、ぼくらが当たり前に知っている世界のことである、と。

確かにそう言えば、ぼくらはアムロらの生きる連邦世界での生活様式に、基本的には違和感を覚えない。彼らは洋服を着てコーラ(らしきもの)を飲み、ハンバーガー(らしきもの)を食べる。自由や人権に対する考え方なども、おおむね似たようなもんだ。

だからぼくらは特に深く考えることなく、連邦にもどこかに人口が密集した首都があり、そこには民主的な選挙を経た議会があり、官公庁や政府があると感じることができる。
要は、そこはぼくらが現実に生きるこの世界の、延長線上にあるんだと・・・。


ところがこの連邦を、現在の国連(連合国)が主導して樹立された世界政府のようなものだと考えていると、とんだカウンターパンチを食らってしまう。言うまでもない、ご存じのようにこの連邦からは、現在の国連本部のあるアメリカ合衆国が除外されているからだ。
北米。
そこはジオン軍に占拠されて、連邦の地図から消えた土地。

地球はおろか、宇宙にまでその版図を広げている連邦から、なぜアメリカだけが消えているのか。
大気圏から地球に降下したホワイトベースは、シャアの策略によって、わざわざ敵地である北米に誘導された。そして延々と北米大陸を横断させられた。その結果、ぼくらは第5話から第11話の間、荒れ果てて人も住めなくなった北米を、ずっと見せつけられた。

『機動戦士ガンダム』は創作なんだから、ホワイトベースがどこを旅するかなんて、制作者が自由に決めることができる。それをわざわざシャアの策略ということにして北米に誘導した・・・。


自然に考えれば、もしも国連(連合国)が主導する形で「連邦」が樹立されたのなら、世界でもっとも重要な場所はアメリカに集中していることになるだろう。
ところがそのアメリカだけが、ジオンに奪われたままの敵地となっているのは一体どういうことか。

くどいようだが『機動戦士ガンダム』は単なる創作物だ。
ジオンが地球上のどこを占拠しようと、それは制作サイドの思うがままだ。
それをわざわざ、現在においても世界の中心と見なされるアメリカに指名したんだから、そこには何かしらの意図がある。と、ぼくは思う。
つまりはこれは、一種の謎かけ、暗号のたぐいではなかろうか?


そう思うとき、『機動戦士ガンダム』のなかに、どことなく似た雰囲気を持つエピソードが存在することに思い当たる。
それは、ジオン公国誕生の瞬間という、『機動戦士ガンダム』において最も重要とも言える一幕だ。

そもそものジオン共和国を作った人は、シャア・アズナブルの実父、ジオン・ダイクンだ。ダイクンは、息子のシャアによると
「宇宙移民者の独立主権を唱えて地球連邦政府に独立運動を起こした」
しかし
「(側近の)ジンバ・ラルはわたしたちを育てながら、デギン・ザビ公王が父を暗殺したといい続けていた。父の死をもたらした病を仕掛けたのがデギンであるのは事実だ」

この経緯はテレビ版38話では、ジンバ・ラル本人による言葉で説明されている。
「ところが急の病に倒れ、その御臨終のきわにお父上はデギン公を御指名になったのです」
「私はジオン様の御気性をよく存じております。
デギン公を御指名になったのは、御自分の暗殺者がデギン公だと教えたかったのです


暗殺者であるからこそ、後継者に指名されたというデギン。
この理屈は普通に考えれば変だ。逆だ。
『機動戦士ガンダム』という、徹底してリアリティにこだわった作品のなかで、このジンバ・ラルの発言だけは分かったような分からないような、妙な後味が残る。何だか不思議なロジックだ。

ところがここに、同様のロジックをもってすれば、その違和感が解消するものがある。
なぜ連邦の地図からアメリカが消されているのか?
そして、なぜその状態が半ば放置されているのか? という違和感だ。

ここに、当たり前のことは記録されない、という観点を加味すれば、導かれる結論はこうなるだろう。

それは、世界全体がアメリカだからだと。
連邦全体がアメリカだからこそ、北米大陸にはもはや特別の意味はなく、それを奪回する必要さえないのだと。


つづく

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