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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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機動戦士ガンダム 連邦の盾、アメリカの盾

zion

さて、ここでこれまでの話を整理してみるとこんな感じ。
まず、「悪」の側のジオンのストーリーには、かつての大日本帝国のストーリーがオーバーラップさせられていた。
そして、それを迎え撃つ「正義」の側に立つ連邦政府とは、宇宙にまで拡大したアメリカ的世界だった。

で、そうしてみると、要するに『機動戦士ガンダム』の世界とは、過去の日本と未来のアメリカの間に起こった出来事であるように思えてくる。
じゃあその世界でぼくらの日本はどうしているのかと言えば、そもそもそれは、存在すらしていない(世界政府なんだから当たり前)。ただの一地方の旧名でしかない。

ところが作品を詳細に検討してみると、実はその痕跡だけは残されていた。
それは、序盤のホワイトベースに見ることができる「平和憲法」的な物語であり、アムロレイの周辺に漂う「戦後民主主義」的な物語だった。
これらはいずれも、本来は現在のぼくらが生きる戦後日本にしか存在しないはずのものだ。

ではそんなホワイトベースが劇中でどう語られたかといえば、カイ・シデンいわく「連邦の盾」というものだった。連邦政府を攻撃してくるジオン軍の前に立ちふさがって、連邦政府を守っているのがホワイトベースだということだろう。

この構図・・・。
ぼくはこの構図は、そっくりそのまま『マジンガーZ』の世界にも適用することが出来るように思う。

そもそもDr.ヘルという人物は世界的に高名な科学者で、アカデミズムの中心にいた男だ。しかし彼は古代ミケーネ人の遺跡群を発見するとその地位を捨て、世界征服の野望に燃え上がった。ヘルは世界の内部から外部へと飛び出すと、内部に向けて侵攻を始めた。

ところがそんな大事態に対し、アメリカ人科学者たちはどこか「他人事」で、せいぜいが光子力研究所への技術援助を申し出る程度。それは、Dr.ヘルが侵攻している先が、日本の静岡県近隣に限られていたからだ。甲児らがヘルの狙う光子力研究所とそのテクノロジーを守っている限りにおいては、それ以外の世界の安全は守られているというわけだ。

そして今、漠然と「世界の安全」と言ってみたものの、この世界がどこを指しているかも明白だった。
最終回でマジンガーZを失った甲児が、心と体の疲れを癒すために渡った「安全」な場所は、アメリカ合衆国だった・・・。


以上、こういった『マジンガーZ』の世界観を、『ガンダム』を見終わったあとの視線で見直してみると、ぼくには兜甲児と光子力研究所は、本人たちの意思とは関わりなく、「アメリカの盾」であったように思える。

もちろん、『マジンガーZ』を単独で見た場合、彼らが「アメリカの盾」でしかないと見るような要素は存在しない。主人公たちは「日本を守るため」「世界の平和のため」そして「正義のため」に戦っている。そう叫び続けている。

しかしそれなら何故、ショッカーには大日本帝国のイメージが重ねられるのか。
なぜ変身忍者嵐は、悪に加担した父のあやまちを償わなければならないのか。
なぜ鉄人28号ジャイアントロボでは、アメリカの存在が無視されなくてはならないのか。
正義のエージェント・超人バロムワンは、ほんとは何のエージェントなのか・・・。

それらあの時代の子ども番組を俯瞰してみたとき、ぼくが共通して感じる印象は、悪=大日本帝国、正義=アメリカの構図だ。アメリカというと語弊があるかもしれないので、それぞれ、戦前と戦後に言い換えてもいい。
要は、ヒーローたちが守るべき「平和」も「正義」も、それは戦後にアメリカの力でもたらされたもので、彼らはその現状を維持するために戦っている。それらを守る「盾」となって戦っている・・・・。


お断りしておくが、ぼくは今ここでその是非を問うているわけじゃあない。それが「自虐史観」と言われる思潮と一致するなんてことは、他でさんざん書いたことだ。
そうではなくて、70年代最後の年に登場した『機動戦士ガンダム』が、それ以前のヒーロー番組に秘められていた構図を、白日の下に暴露してしまった事実を言いたい。『ガンダム』の登場によって、いわゆる勧善懲悪的なヒーロー番組は、その世界観からしてが解体されたのだと。


そしてその最たるものは、「悪」であるジオン公国の扱いにあるだろう。
これまでのヒーロー番組なら、ジオンは自らの野望・欲望のために世界の平和を乱す侵略者として描かれたことだろう。どこか、大日本帝国の影を引きずりながら・・・。
だが、自分たちを「連邦の盾」だと看破したカイ・シデンは、同じセリフのなかでジオンをこう評したのだった。

「ジオン公国は地球連邦の独善から逃れようとして戦っているんだ」

つづく


<補足>
上記に引用したカイ・シデンのセリフは、テレビ版・劇場版いずれの本編にも存在しないものでした。出典は『ロマンアルバム・エクストラ50 機動戦士ガンダム? めぐりあい宇宙編』の中の「AR台本(抜粋)」より、となります。
参考までに、その周辺のやりとりも引用しておきます。

カイ「親孝行しにいっちゃいけないのか」
ブライト「生きのびたいだけなら、それもいい」
カイ「オレのいっていることはそういうことではないぜ。ジオン公国は地球連邦の独善からのがれようとして戦っているんだ。ザビ家独裁は倒さにゃならんが、問題なのはオレたちが連邦の無能な官僚や参謀の盾となって死ぬことなんだ。そいつはいやだ」
ミライ「カイのいうことは正しいわね。でも、いまの相手はザビ家そのものよ」

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