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竹波エーイチ

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『伝説巨神イデオン』と『2001年宇宙の旅』

第6文明人

というわけで、ここまでぼくなりに『伝説巨神イデオン』の解釈を続けてきたわけだが、もちろん説明のつかないことも沢山ある。その原因は、いわゆる「第6文明人」についてのヒントが作中には全く存在しないせいだ。

例えば第17話「激闘・猿人の星」での、ハルルに対するギジェの報告。
「ロゴダウの異星人の船が埋まっていた地点と巨人メカの地点。この二つの点から四方へ、エネルギーのようなものが飛んだ後が発見されたのです」
「これが地面の中から発見された、エネルギーの通った跡と思われるものです。しかもその跡は、ロゴダウの反対方向に突き抜けております」

劇中では、結局これが何だったのかは語られることがない。ただ、地球人がロゴダウ(ソロ星)に移住してくる以前に起こったことは、これ以外にはバッフ星への隕石落下事件(イデ伝説の元)ただ一つしかないことから、この両者は結びつくものなんだろうと推測するしかない。ならば答えは、第6文明人の滅亡と、その際のエネルギー拡散によって発射された隕石・・・、と考えるのが自然だということになるだろう。

さらに不明瞭なのが、第25話「逆襲のイデオン」に登場した宇宙図。そこには、ソロ星を中心に、それぞれ250万光年の等距離を、一直線上に位置するバッフ星と地球が映し出されていた。
正直に言って、これが何を意味するのかはまったく分からない。あるいはそれは、第6文明人滅亡の際に発生したエネルギーが隕石に宿り、墜落地点にきわめて似たような人類を生み出す元になったのかもしれないが、そんなのは想像の域を出ない。また、この物語がそれをきっかけに動き出すことがない点からしても、大して意味のない事実だったのかもしれない。


とにかく、考えても答えのでないことに時間を費やすのは無駄というもの。
ここまでは、できる限り外部情報を使わないという姿勢でやってきたが、そろそろ富野監督ご自身に「イデ」を語ってもらいたいと思う。と言っても「イデ」そのものについては、やはり劇中で生かされた設定だけに拘りたい気持ちもあるので、あくまで間接的に語られた「イデ」についてだ。

イデオンという伝説』(太田出版・1998年)のなかで、『2001年宇宙の旅』には根幹に神がいるというイメージがあるが『イデオン』には相反する要素の激突と融合が描かれているのではないかと聞かれ、富野監督はこう答えている。

確かにそれを目指していたところはあります。要するに、キリスト教文化圏の人間が作ったときに『2001年』になってしまうんです。僕は八百万の神の日本の人間です。ですから、『イデオン』は東洋の人間が作ったものといえます。
(中略)
なぜ我々は闘うのか。なぜオスとメスがいるのか。なぜわけが分からないまま、イデという巨大な存在に対してわけが分からないままを良しとしないで、平気で、気も狂わないで、対決していくことができるのか。
(中略)
そのときに、一神論というモメントの方が有効なのかといったら、僕は東洋人ですし八百万の神の元にいる人間ですから、解読した構図はああいうふうになったよ、ということです。あそこに出てくるイデというのは、東洋人が借り物の一神教を持ってきているだけのことで、じゃあイデが善なるものとして肯定できたのかといったら、できないから、ああしたと。


いつもながら富野監督の発言は難解だが(笑)、ぼくなりに要約すれば、まずイデは一神教の「神」ではないということ。それとイデは「善なるもの」でもない、ということ。この2点は『イデオン』理解では外せない要素のようだ。

西洋の「神」は決定者であり裁定者だから、そういう「神」のイメージをイデに持てば、超越者であるイデが両人類を引き合わせてテストした、というような解釈が成り立つ。またそこには「良き心」のような、倫理的な基準も存在するだろう。
だが、東洋、とくに日本の八百万の「神」のイメージは、それとは180度異なる存在になる。イデもあまたの「神」の一人でしかなく、何も決定しないし何も裁かない(怒り狂うことはあるが)。
そしてそれらの「神」は、人間たちとの精神的な交感を行う。人間と「神」が関わり合うことで、世界は動いていく・・・。

もしも『伝説巨神イデオン』が『2001年宇宙の旅』の日本人版であるとしたなら、そこで語られるイデという「神」のイメージがいかなるものだったかは、判断に迷うようなものではないと思われる。八百万の神であるイデは、周囲の人間たちの精神との交感を行う。人間の意思を取り込み、それを現実に還元する。そこでは人の思うことが、現実となっていく。

ならば、あの「滅び」とは何だったのか。
あれはイデが下した大いなる決定だったのか。
それとも、そこにいた人が望んだ結果だったのか。

つづく


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