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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
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超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

マクロス
(ご注意!)
ここからしばらくは、比較的最近のアニメの話や、いわゆる「歴史認識」にまつわる話などが続きます。俺は宮崎駿の話にしか興味はねーんだ!!という方は、こちらの記事までスキップしてください。
風立ちぬ(1)〜小冊子『熱風』


超時空要塞マクロス』(1982ー83)は、当時ぼくはどうもキャラのデザインが好みじゃなくて敬遠していたが、今になって思えば、案外『マクロス』にこそ、あの時代というものが良く現れていた気がするので、そんな雑談を少々。

※テレビ版の『マクロス』は変な延長があったりして一貫性に乏しい気がするので、この記事では84年に公開された劇場版『愛・おぼえていますか』で話を進めます。
あらすじ等はこちらで ー超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますかーwikipedia

『マクロス』の世界では、人類はゼントラーディとメルトランディという二大勢力の宇宙戦争に巻き込まれた。これはいかにも1970年代的な設定というやつで、要するに米ソ冷戦の反映・・・。

・・・っぽく見えるが、実際にはゼントラーディもメルトランディも戦闘用に製造された人造人間で、いずれもプロトカルチャーとかいう超文明人によって作られた存在。そんな戦争に、アメリカもソ連もあったもんじゃない。
ここには、すっかり形骸化した昭和的思想の残骸しかないだろう。

一方で『マクロス』はバブルの予感にあふれている。
あの時代大いに叫ばれた国際化だが、マクロス艦内はまさに人種のるつぼ。主役の一条輝こそ日本人だが、その上司は白人アメリカ人、マクロス艦長はイタリア人、ブリッジオペレーターはフランス人やフィンランド人・・・、と展開した結果、何が起こったか。

アメリカ様のワンノブゼム化だ。
約40年前に日本と戦争し、占領し、その後も支配力を及ぼし続けてきたアメリカが、いきなり影の薄い存在にされてしまったのが『マクロス』だ。

この背景には、ついさっき「残骸」扱いした米ソ冷戦の影響が実はあるとぼくは思う。
1979年に始まったソ連のアフガン侵攻。それまで朝鮮半島やベトナムなど、割りと近いところにあった戦場は、かなり遠い中東に移動してくれた。この安堵感が、アメリカの圧迫感や存在感を希薄にさせた可能性は十分に考えられると思う。

バブルっぽさはストーリーにも現れる。
『愛・おぼえていますか』のクライマックスでは、アイドル歌手リン・ミンメイの歌が、大戦の流れを変えていく様子が描かれている。「文化」を知らないゼントラーディ軍・メルトランディ軍は、歌を聴くと戦意を失ってしまう。ゼントラーディの司令官は「文化を取り戻すのだ」と叫んで、マクロス援護に走る。
つまりここで表されているのは、戦闘より文化が上位にあって、文化の力で戦争はなくせる、ってことだろう。だから主役・一条輝の最大の功績は、敵を撃墜したことじゃなくて、ミンメイを説得して歌わせたことにある。

エズラ・ヴォーゲル著『ジャパン・アズ・ナンバーワン』が発刊されたのは1979年。
劇中で「文化」とは言ってるものの、隠された本音は「経済力」で勝てばいいって感じじゃなかったか。1984年といえば、あのバブルの直前だ。北方領土でも何でも、カネで解決すればいいじゃないか。世界全部を日本が買ってしまえば、戦争なんて起こらない。

Wikipediaの「バブル景気」の項目をみると、あの時代は「アッシー君」やら「メッシー君」やら「亭主元気で留守がいい」やら、「兎にも角にも激しい男性蔑視、マン・バッシングが吹き荒れたのがバブル時代のもう一つの顔」だったとある。
そんな世相に昭和のヒーローなんて、激しく場違いだろう。

かくして『マクロス 愛・おぼえていますか』と同じ年に公開された『風の谷のナウシカ』も『うる星やつら2』も、主役はぜんぶ美少女で、少年たちはその引き立て役。その後の『パトレイバー』も主役は泉野明(いずみ のあ)の方だし、『攻殻機動隊』もそうか。

ま、ここら辺の話は「今さら」の話。
『マクロス』はヒーローなき時代への牽引者だったかも知れないが、バブルが弾けてみれば『仮面ライダー』も『ウルトラマン』も華麗に復活を遂げたわけで、やっぱり男の子には「カネ」以外の価値の象徴であるヒーローは必要なんだろう(女の子には魔女っ子が必要なんだろう)。

「消えたアメリカ」だって、96年の『ウルトラマンティガ』では「地球平和連合TPC」の本部が何とわが日本にあったわけだが、それも『ウルトラマンメビウス』(2006年)のGUYS本部でニューヨーク沖に戻っている。たしか『エヴァンゲリオン』のネルフも日本に本部があったように記憶しているが、90年代半ば頃は、思い上がったバブルの増上慢が、まだまだ残っていた時代なんだろう。

つづく

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