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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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琉神マブヤー  〜「命どぅ宝」とヒーロー

マブヤーDVD

以前から、これは書かねばと思ってきたのが、沖縄のご当地ヒーロー『琉神マブヤー』(2008年)だ。
ぼくらオッサンが少年時代にみていた『仮面ライダー』や『マジンガーZ』などには、結果としてぼくらに自虐史観(東京裁判史観)を植え付ける効果があったのでは? というのがこのブログの趣旨なわけだが、現代の沖縄の少年たちにその心配はない(学校にさえ行かなければ、だが)。『琉神マブヤー』がいつだって大切なことを教えてくれる。

ストーリーはこうだ。
沖縄に伝わる9つのマブイストーンを、マジムンという悪の軍団(というかチーム?)が奪いに来た。それを阻止すべく、マブイグミにより琉神マブヤーの魂を宿した叶(カナイ)という青年が戦う物語。
方言バリバリで聞き慣れない単語が多いが、「マブイ」とは魂を意味していて、それを封じ込めたものが「マブイストーン」。
第1話で狙われたのは「ウチナーグチ」のマブイストーンで、それを奪われると沖縄は方言を失う。

マジムン首領ハブデービルは言う。
ウチナーグチっていうのは口でできてると思うか? 言葉っていうのは心でできてるわけよ。だからウチナーグチのマブイストーンは言葉を消すために奪ったんじゃない。ウチナーンチュの心を消すために奪ったわけよ
悪人ながら良いことを言う(笑)。

以下、「石敢當」「テーゲー」「エイサー」「チャーガンジュー」「いちょりばチョーデー」と、沖縄人なら(たぶん)誰でも知ってる心やモノ(のマブイストーン)が狙われていくわけだが、ヒーロー番組としては微妙な問題も、避けることなくしっかり扱っている。
命どぅ宝」、反戦平和運動のスローガンだ。

第9話。反戦デモ隊(といっても3人だが)に出くわしたカナイは「何で戦争ってダメなの」と問われる。するとそこに(実はカナイの兄である)ニライが現れて議論になる。
ニライ「戦争はなるべくない方がいい。でも時には必要がある。愛する人たちを守るために」
カナイ「争いで解決していいの? そうなれば戦争はずっと繰り返される。人間の知性は未来永劫に変わらない」
ニライ「この沖縄が悪の軍団に攻められた場合、君はどうする? 戦うだろ?」

その後、ニライの言う通り、マジムンを戦闘によって撃退したカナイは悩む。
「俺がやられるかもしれないんだぞ。やるかやられるかだろ?」
マブヤーの力を究極に引き出すべく、修行に赴いたチルダイ森の大主(うふぬし)はカナイに問う。
「撃たれたら撃ち返す。これはいつ終わる?」

暴力に暴力で対抗すること、怒りに怒りで対抗すること。
その連鎖を断ち切るためにカナイが出した答えは、すべてのものへの「感謝」の心だった。
最終回、カナイはハブデービルに言う。
「おれは全力でマブイストーンを守ってきた。でもお前たちが奪ったりしなければ、その大切さに気付かないままだった。だから、それを教えてくれてありがとう。にふぇ」


世界の平和だとか人類の未来だとか叫びつつ、実はただ自分自身の復讐のために戦っていた某昭和ヒーローと比べた時、沖縄の伝統や文化や精神を守るために戦ったマブヤーには、ヒーローのあるべきリアリティが充ち満ちている。別にカッコいい変身ポーズをとらなくても、カッコいい戦闘スーツを着てなくても、カッコいい必殺技がなくても、沖縄を守ることはできる。みんながマブヤーになれる。
たしかに日本は戦争に敗れ、沖縄は長く占領されてしまったが、その間も大切に守ってきたものがあるからこそ、逆にいま『琉神マブヤー』が存在できる。「命どぅ宝」は沖縄の精神の一つだが、命以外にも守るべき「宝」は沢山あることを『琉神マブヤー』が教えてくれる。

ぼくが知ってるご当地ヒーローはこの『琉神マブヤー』だけだが、このフォーマットはどの地方でも一回だけは作れるわけで、きっと各地にマブヤーの仲間たちが誕生したことだろう。ヒーロー番組の中に、地元の伝統や文化を保存できるなんて、凄いアイデアだ。

てか、最近の特撮とかアニメって、クオリティの高いものが多すぎる。
2000年の『クウガ』以降の仮面ライダーシリーズには、かつてのショッカーのような「世界征服を狙う悪の秘密結社」は出てこない。そんな単純で非現実的な悪では、いまどき誰にも相手にされないのだろう。ゆえにいくら観ようと、自虐史観に染まってしまう思考回路を持つ危険はない。
安全で、健全で、面白い。

つづく

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