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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
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映画『戦争と人間』(1970ー73 日活)


1970年から73年にかけて、日活が大金かけて作った映画に『戦争と人間』がある。原作は五味川純平で、監督が山本薩夫。三部作の合計で、9時間23分という超大作だ。満州事変から支那事変あたりを舞台とした壮大な人間ドラマで、豪華キャストに豪華セット、ロケ地の映像も美しい。

・・・が、これがトンデモない反日映画なんすよ。
途中途中に妙な史観が混ざってくるおかげで、せっかくの人間ドラマも楽しめないし、何もかもがウソくさく思えてしまう。もちろん作り手は、当時の「史実」と思われていた知識で作ったんだろうが、それが間違っていると映画そのものが残念なことになる典型だと思う。
まぁこんなクソ長い映画、今からわざわざ観る人も少ないだろうので、ぼくの方で参考までに「史観」だけをまとめてみたい。


最初にでてくるのは、台湾統治下でおきた原住民の暴動事件、「霧社事件」だ。

昭和5年10月、台湾霧社部族は過酷な植民地収奪に耐えかね、突如蜂起した。これに対し日本軍は凄惨な弾圧を加えた。霧社事件である。


このナレーションだけ聞くと、日本はまるで『さらば宇宙戦艦ヤマト』のガトランティス帝国かのようだが、Wikipediaにはこの事件の顛末についての詳細がある。それによると、暴動の原因はこうだ。

その日、巡査は同僚を伴って移動中に、村で行われていた結婚式の酒宴の場を通りかかった。巡査を宴に招き入れようとモーナ・ルダオ(霧社セデック族村落の一つマヘボ社のリーダー)の長男、タダオ・モーナが巡査の手を取ったところ、巡査は宴会の不潔を嫌うあまりステッキでタダオを叩いた。侮辱を受けたと感じたタダオは巡査を殴打した。この殴打事件について警察からの報復をおそれた人々が、特にモーナ・ルダオは警察の処罰によって地位を失うことを恐れ、暴動を画策したと言われている。


結局のところ問題の根本にあるのは、日本人が持つ台湾原住民(首狩り族)への差別意識であって、「植民地収奪」ではない。ただ、当時日本が行っていた「理蕃政策」は台湾の民主化・近代化を目指したものではあったが、それは余りに性急で上から目線だった。文明の強制が、台湾原住民の不満を募らせてしまったというわけだ。

が、大切なのはここからだ。
この事件に衝撃を受けた総督府はすぐに理蕃政策の抜本的見直しに着手、原住民は「日本人と同等の民族として位置づけられ、皇民化教育が最優先されるようになった」。その結果、現在の台湾原住民は「日本統治時代に日本側が原住民の文化についての詳細な調査・記録や研究をおこなったことが、原住民が自らの伝統文化を継承するにあたって大きな助けになっていると評価をしている」(引用Wikipedia)。
そして

現在も原住民の居住地域は「山地管制区」と呼ばれ、外部の人間が出入りし、経済活動を行うことが制限されている。(これは現在では隔離政策と言うよりも保護措置として受け止められている。)


簡単にいえば、かつての日本(総督府)は「悪」だったが、暴動のあとは「反省」して「善」になった。人も国も成長するものだと考えれば、大切なのは当然、「反省」して「善」になった後半部分だ。
しかしこの映画はそれを認めず、一度でも「悪」を犯したものは、未来永劫に「悪」だと糾弾しているわけだ。わざわざ「過酷」とか「凄惨」といった言葉を持ち出してきて・・・。


続いて登場するのが、統治下の朝鮮で起こった「三・一運動」(万歳事件)だ。

大正八年三月一日
朝鮮独立運動弾圧
殺傷者三万余
万才事件という


もともとは平和なデモ行進だった独立運動はしだいに暴徒化し、総督府発表では死者357人、『韓国独立運動之血史』によれば死者7509名という内乱に発展してしまった。映画では、白装束の朝鮮系日本人(元朝鮮人)が、デモ中に内地人に銃剣で一突きに殺害されたり、まとめて首つり刑にされたりと、残虐な映像が続く。しかし韓国人の金完燮が書いた『親日派のための弁明』(2002年)には、こういう記述がある。

三ヶ月間つづいてもなお運動の勢いが衰えず、日本の正規軍の投入が目前に迫ると、李完用は新聞をとおし三回にわたって独立運動を中止するように懇々と訴えた。(中略)一部でけなす人もいるが、朝鮮人に絶大な影響力をもち、心からの尊敬を受けていた李完用の呼びかけによって、六月初め三・一運動は軍隊による鎮圧なしに平和裡に終結した。


ちなみに「きっかけを作った宗教指導者らは、孫秉熙(ソンビョンヒ、天道教の教主)ら8名が懲役3年、崔南善(チェナムソン)ら6名が懲役2年6ヶ月の刑を受け、残る者は訓戒処分または執行猶予などで釈放されている」とのことだから、総督府は首謀者を厳しく裁いたわけじゃない。
そして「憲兵警察制度を廃止し、集会や言論、出版に一定の自由を認めるなど、朝鮮総督府による統治体制が武断的なものから文治的なものへと方針転換される契機となった」というんだから、話の流れは台湾統治と全く同じ。「反省」から「善」へだ。
もちろん、映像に出てきたような虐殺は行われていない。映像のような弾圧をされて、「次第に終息」するわけがない。


第二部に出てくるのが「731部隊」(映画では「石井部隊」と呼ばれている)。
劇中に出てくる人体実験は、毒ガスを5分吸わせて殺害、青酸カリを飲ませて殺害、5000Vの電流を食らわせて殺害・・・て、おい!どれもこれも実験じゃねーぞ(笑)。

たしか森村誠一の小説『悪魔の飽食』だと、「人間が入るほどの遠心分離器で体液を搾り出す。→全身骨折で死亡しても、凝血するだけで血液は出てこない」とか「注射針で体液を吸い出してミイラにする。→血液を他の液体と置換するのではなく、干からびるまで吸い出すのは現在の技術でも不可能である」とか「真空室にほうり込み、内臓が口、肛門、耳、目などからはみ出し破れる様子を記録映画に撮る。→宇宙開発での実験により、このようなことは起きない事がわかっている」じゃなかったか(笑)。

731部隊の「人体実験」や「細菌戦」に関しては、万人が認められるレベルの証拠はないとぼくは聞いている。2007年にアメリカが公開した機密文書にも、「細菌戦を研究」以上の事実は記載されていなかったそうだ(「米情報機関、対日機密文書10万ページ分を公開」)。731部隊の悪行の証拠は、例によって「証言」ばかりで物証がないわけだ。

毎度のことだが、日本軍がやったというなら、そっちの立場が証拠を挙げなければならない話。
たとえば『戦争と人間』でも描かれている「張作霖爆殺事件」だが、日本側には主犯を実子の張学良だとする説もある。『真実の中国史』(宮脇淳子・2011年)によると、最近になって加藤康男氏がその証拠を見つけた場所は、ロンドンのイギリス公文書館だったそうだ。必死になって探せば何らかの証拠は出てくるという好例だろう。


さて、こうしてみると『戦争と人間』がもったいぶって取り上げる、おどろおどろしい日本軍の悪行は、実はどれもこれもが先入観に満ちた一方的な見方であり、史実というよりイメージ優先のプロパガンダとみたほうが良い気がしてくる。少なくとも、信用には値しない。
ならば次はどうだろう。

12月13日南京占領。国民政府は首都を漢口に移した。世界史上に類例を見ない悪夢のような大事件は、この直後に引き起こされたのである。日本軍による言語に絶する大量虐殺は、一ヶ月にわたって続けられた。殺戮された中国人の数は、実に30万人を超えると伝えられる。(『戦争と人間』第3部より)


これまで散々怪しげな話を聞かされてきて、いや、これだけは信用できるという人も珍しいのではないか?
映像には「証拠」とされる写真が多数出てくるが、それらは『南京事件「証拠写真」を検証する』(2005年)などの本で、今では「証拠」として通用しないことが明らかにされている。そしてここでも「証拠」は、証言ばかりだ。

念のため、「南京事件の真実を検証する会」が2008年に制作した『胡錦涛国家主席への公開質問状』を引用しておく。南京事件への疑問が分かりやすく整理されていると思う。なお出典は『2/3【討論!】南京の虚構を暴く![桜H24/3/17]』という動画。

①中国共産党の毛沢東は、生涯で一度も「南京虐殺」に言及していない。

②国民党国際宣伝処の極秘資料によれば、1937年12月1日から1938年の10月24日までの間に、漢口で300回の記者会見を行ったが、ただの一度も南京における「市民虐殺」「捕虜の不法殺害」を述べていない。

③南京の人口は日本軍の占領直前20万人で、その後も20万人を維持し、占領1ヶ月後には25万人と記録されている。30万人虐殺はありえない。

④安全区を管理した欧米人の国際委員会の記録『Documents of the Nanking safety zone』によれば、殺人は26件で、直接目撃されたものは1件のみであり、その1件には合法殺害と注記されている。

⑤南京虐殺の証拠写真とされるものの中には、ただの一点も証拠価値のあるものが存在しないことが、科学的研究によって明らかにされている。



・・・しかし、70〜73年当時に、劇場で『戦争と人間』をみちゃったら、信じてしまっても仕方ないかもしれない。団塊世代だと25才くらいか・・・。
案外この映画が、秘かに歴史観のベースになってる人もいるかもしれない。当時の研究レベルでは仕方ない面があるからプロパガンダ映画とまでは言わないが、今後顧みられることが少ない残念な映画のひとつだと思う。

※なお、『ひと目でわかる日韓・日中 歴史の真実』(水間政憲・PHP研究所)という本には、南京占領当時の写真がたくさん掲載されている。30万人殺したってことは、そこに写っている笑顔の中国人たちはみな幽霊で、写真はぜんぶ心霊写真ということになるな(笑)。

つづく


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