プロフィール

竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
一つの 「カテゴリ」 で一つの記事となってます(記事は古い順に並んでます)。同世代のおっさん向け。

カテゴリ
もくじ

全ての記事タイトルを表示する

月別アーカイブ
ブログ内検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

主要記事
リンク
応援中
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
趣味 - シュミラン

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遊星から来た兄弟/禁じられた言葉 〜在日米軍とウルトラマン

ザラブとメフィラス

そもそもウルトラマンには地球を守る理由はない。だから、地球を守りたいのはハヤタであって、ウルトラマンではない。つまりウルトラマンは、人間ハヤタの意志の実現として登場する。
金城哲夫がこのことを十分意識していたことは、1967年に発行された『怪獣大全集3/怪獣絵物語ウルトラマン』で読むことができる(現在は『小説ウルトラマン』ちくま文庫)。

ピカッ!
あたり一面に光がかがやいたかと思うとハヤタはいつのまにか自分が全長四十メートルのあの宇宙人になっていることに気がついた。S16号は小さく足元にころがっている。
(そうか、そうだったのか・・・あの宇宙人はあれからずっとぼくのからだの中にいたのだ。まさに一心同体なんだ。ぼくはハヤタでもあれば、あの宇宙人でもあるのだ。一つのいのちで二人が生きているのだ!)
いっしゅん、子供のころに読んだ「ガリバー旅行記」を思い出した。小人島に上陸したガリバーの気持みたいだった。
(よし、ベムラーに体当たりだ)
足を動かすと、きょだいな立木がまるで雑草のようにふみ倒されてゆく。まるで自分の体ではないみたいで、ハヤタの意志とは関係なしに、数歩でベムラーに接近した。ハヤタは消えて、M78星雲の宇宙人が生き返ったのだ。


以上はテレビ放送の第一話「ウルトラ作戦第一号」で、ハヤタが初めてウルトラマンに変身した直後の描写だが、ウルトラマンの体になったあともハヤタの意識がしばらくは残っていることが分かる。ウルトラマンはまさに、ハヤタの意志を引き継いで行動しているというわけだ。

こうしたハヤタとウルトラマンの関係は、これまで順に見てきたように、こと怪獣を相手にしているうちは何の問題もなくウマくいっていた。それは『ウルトラマン』の世界が、日本人の精神世界や宗教観といったものの内部だけで完結していたおかげとも言えるものだった。

八百万の神々が祟り、科特隊による祝詞の奏上といけにえの儀式が行われたのち、阿弥陀如来の慈悲による祟り神の鎮魂に至る。ケガレは宇宙に放出されてミソギが行われる。
そしてこの一連の物語の肝が、人間ハヤタの死をも恐れぬ精神力がウルトラマンを実現するという点において、まさに日本的世界観が完成するというわけだ。日本においては、人間の精神力は何ものにも勝るものなのだ。
聞くところによると、あれほど外国でも喝采を浴びた『ゴジラ』に比べて『ウルトラマン』はほとんど受け入れられなかったというが、それもこれも『ウルトラマン』があまりにも日本的だったせいもあるのだろう。

しかしそんな『ウルトラマン』の世界は次第に亀裂が入るようになり、やがては完全に崩壊してしまった。
亀裂の一つは、すでに見てきた実相寺/佐々木守による内部からの破壊工作の結実だった。ウルトラマンは、何も悪事を働かない怪獣を、人間の都合にあわせて排除する公権力の尖兵だと彼らは糾弾した。いまだに「故郷は地球」や「怪獣墓場」が「名作」だと言われるんだから、彼らの試みは完全に成功したと言っていいだろう。

しかしそんな実相寺や佐々木の嫌がらせなどは、ほんの悪戯程度のものでしかなかった。
金城哲夫自らが入れてしまったもう一つの亀裂は、『ウルトラマン』世界の致命傷となる一撃だった。それは二人の侵略宇宙人、ザラブ星人とメフィラス星人によってもたらされたものだ。

第18話「遊星から来た兄弟
ウルトラマンとハヤタが一心同体であることを知っていたザラブ星人は、ハヤタを拉致したうえでニセウルトラマンに変身すると街を破壊した。ザラブ星人は言う。
「ウルトラマンこそ地球征服を狙う宇宙人ではないでしょうか」
再びニセウルトラマンが現れると、科特隊ムラマツ隊長は言う。
「たとえウルトラマンでも、この地球上で暴力をふるう者とは戦わなければならん」

第33話「禁じられた言葉
自らを「紳士的」だというメフィラス星人はフジ隊員の弟サトルに、地球をあなたにあげますと言えばサトルだけは最高の暮らしをさせてあげようと持ちかけるが、サトルに拒否されてしまう。これを聞いたハヤタが大笑いをすると
「だまれウルトラマン! きさまは宇宙人なのか、人間なのか!」
と激怒する。

この二人の侵略宇宙人から見ればウルトラマンはあくまで第三者であって、地球を守る理由が何もないのに人間に肩入れする厄介でおせっかいな存在でしかない。要は地球にとってウルトラマンは、赤の他人だということだ。
こうして宇宙という外部からの視線にさらされた時、ハヤタの意志の実現やら日本的世界観やらは一瞬にしてたわごとと化し、どこかへ吹き飛んでしまった。実相寺が「地上破壊工作」でやったような手の込んだことをする必要は全くなかった。ウルトラマンの過去を知る侵略宇宙人を登場させるだけで、簡単にハヤタとウルトラマンは分離してしまったのだった。

これは実相寺/佐々木の悪戯が所詮は金城の手の中で踊っていたことと比べて、あまりにすさまじい破壊力だったといえるだろう。ハヤタという人間の意志やら思いやら願いやらがウルトラマンという像を結ぶとぼくらは思っていたが、そのウルトラマンがハヤタと一心同体になる前の姿を知っている宇宙人がいる。もちろん彼らは、ウルトラマンがもともと地球を守るために地球にやってきたわけではないことも知っているだろう。

となると、彼ら侵略宇宙人から見たウルトラマンとは、地球人が(はっきり言えば日本人が)国防を依存している存在ということになる。
現実世界でそれと似た存在を探すなら、それは在日米軍以外に考えられない。

つづく


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。