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竹波エーイチ

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ウルトラセブンと西部劇(シェーン)

シェーンとモロボシダン

ウルトラセブン』にはその全49話を通して、ほとんど矛盾や破綻のようなものが見当たらない。登場人物の言動は首尾一貫していて、非常にリアリティがある。特に主人公であり巨大ヒーローであるモロボシダン(ウルトラセブン)の考え方や立ち位置には全くといっていいほどブレがない。

ではその理由は何かと考えたとき、『ウルトラセブン』にはモデルとなるストーリーが存在していることに気がつく。
それが1954年のアメリカ映画『シェーン』だ。

シェーン-wikipedia

聞くところによると『シェーン』は本国以上に日本人に受けた作品だそうだ。淀川長治のお気に入りで、昔は年に1度はテレビで放映していたらしい。ぼくらの世代なら、ドラえもんの映画『のび太の宇宙開拓史』で『シェーン』を観ていることになるだろう。

その『シェーン』のあらすじはこうだ。

開拓時代のアメリカ。高原のある村にひとりの旅人、シェーンが流れついてくる。その村には、先住の開拓民と新手の移住民との間の対立があった。シェーンは、移住民のスターレットが先住民ライカー一派に脅迫されている現場に居合わせることになる。そしてスターレットに頼まれて、彼の家に住み込むことになる。やがて街でシェーンとライカー一味の乱闘が起こり、シェーンはスターレットと協力して勝利する。するとライカーはプロの殺し屋を雇い、スターレットの仲間を殺してしまう。ライカーの圧力は強まる一方だ。同じころ、スターレットの妻がシェーンに好意を寄せていることが分かる。スターレットは妻をシェーンに任せ、自分はライカーと対決する決意をする。しかしシェーンはそれを阻止し、単身ライカーのもとに乗り込んでライカー一味を倒し、村を去っていく。なお、映画公開後、シェーンは死んだのではないか、という論争が起こる・・・。


一方『ウルトラセブン』はこう。

地球人と宇宙人が敵対している宇宙開拓時代の地球に、「ごらんの通りの風来坊」が「この先に危険がある」ことを知らせるところから始まる。彼、モロボシダンはその能力を買われ、ウルトラ警備隊の隊員になる。ダンは仲間を助けたり、自分も助けられたりしながら、地球防衛のために働く。しかしやがて侵略者は、ダン(セブン)を倒すことが地球征服の早道だと、ダン本人を狙うようになる。また、ダンと地球人アンヌの間にはいつしか恋愛感情が生まれる。結局ダンは地球を去っていくが、ソガ隊員は、ダンは死んだんだろうか、と嘆く・・・。


流れ者のヒーロー、男と男の友情、そして禁断の恋愛。
『ウルトラセブン』が子ども番組の枠組みを超え、現在でも大人の視聴に耐えると言われるのも当然のことだ。数ある西部劇の中でも、もっとも渋く深い作品をモデルにしているのだから。

ストーリーも似ているが、両者の政治的立場とでも言うべきものはもっと似ている。二人とも正当防衛の腕力はふるうが、それ以外では中立を維持している。「ダークゾーン」「ウルトラ警備隊西へ」「闇に光る目」「超兵器R1号」などにそれが顕著に出ている。ダンがもし自分の判断で最善の対策をとるという立場であれば、これらのエピソードは最初から成立しないはずだ。ダンはいつでも、ウルトラ警備隊の隊員としてできること以上のことはやらない。ウルトラセブンという宇宙における立場で相手を説得することはあっても、いきなりセブンの武力を行使することはない。

ただ、ここで言いたいことが『ウルトラセブン』が『シェーン』のパクリだということではない。金城哲夫が求めたのは、その日本人好みのヒーロー像だったんだと思う。寡黙で義理堅く忍耐強い。ふだんは控えめだが、いざ銃をとれば超人に変身する。なにより、何の得にもならないのに、他人のために命を投げ出せる。こういう男を、男の中の男として日本人は好んできた。金城は『ウルトラセブン』では、そういう男の姿を子どもたちに知って欲しかったのだろうと思う。

そして「シェーン」のストーリーをなぞったことで、『ウルトラセブン』は『ウルトラマン』で金城がぶち当たってしまった壁を、いとも易々と乗りこえてしまった。
まず主人公のモロボシダンとヒーローのウルトラセブンが同一人物になった。彼らが分離することはあり得ない。
さらに、ウルトラ警備隊が自衛力のある軍隊になった。ウルトラ警備隊はセブンの協力に感謝はしているが、依存はしていない。

そしてここで、そもそもなぜセブンが地球人に肩入れすることにしたのかの理由を考える必要は全くなくなった。それは、セブン(ダン)がシェーンのような、男のなかの男だからだ。シェーンのような男の中の男なら、困っている人がいたら手を貸さないことはない。それだけでもう説明はいらないだろう。それ以上聞くのは「無粋」であり、男のロマンを知らぬ者と見下されるから止めておいたほうがいい。

というわけで『ウルトラセブン』はこれで終わり。

と言いたいところだが、これだけだと『ウルトラセブン』を軽く見ているように思われても困るので、次回からいくつか重要と思われるエピソードを紹介したい。
ただ『ウルトラセブン』にはすでに素晴らしいサイトが存在しているので、ぼくの駄文よりそっちを読んだほうが面白いだろう。

ULTRASEVEN CRAZY FAN BOOK


※『シェーン』がいかに日本人に好まれたかについて調べてみたが、資料性の高いサイトが見つからなかった。それでもこの文章は参考になった。
みんなのシネマレビュー

つづく

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