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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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ウルトラセブン 姿なき挑戦者/地底GO!GO!GO!

モロボシダン誕生

モロボシダンが、炭坑夫の薩摩次郎をモデルにして誕生したことは、ぼくらの世代では知らぬものはないだろう。

第17話「地底GO!GO!GO!」(脚本:上原正三)
仲間と登山をしていた薩摩次郎は、そのときザイル一本で宙づりの状態になっていた。次郎は仲間を生かすためにザイルを切り、谷へ墜落していく。それを間一髪で救出したのがウルトラセブンだった。

「仲間を救うためにザイルを切った。なんて勇気ある青年だ。そうだ、この男の魂と姿をモデルにしよう」

こうしてぼくらの知る「モロボシダン」は誕生したわけだが、ここでの要点は「そうだ」の部分にある。
まずセブンには人間の姿を借りなければ実行不可能な目的があり、そのためにモデルとなる人間を探していた。そのタイミングで薩摩次郎の行為を目撃することになり、その「魂と姿」が気に入った。というのが一連の流れだ。

ではセブンの目的とは何だったか。
第1話「姿なき挑戦者」(脚本:金城哲夫)
謎の人間消失事件を捜査していたウルトラ警備隊のフルハシとソガは、パトロール中に防衛隊員が自動車ごと消された地点にむけてポインターを走らせていた。それを道に立ちふさがって妨害しようとしたのがモロボシダンだった。
ダンのこのときの服装が、薩摩次郎の姿を借りたあの瞬間の服装であるところから見て、ダンの目的がこの妨害行為であると考えて間違いないところだろう。
ダンは言う。
「あなたたちの命を助けてあげようと思って、さっきからここで待っていたんです」
「笑いごとではありません。命が惜しかったら、これから先に行ってはいけません」
ダンの助言に耳を貸さず、ポインターを追い抜いていった県警のパトカーが消失する・・・。


セブンがもしも最初から人類の平和を守るためにやってきたのなら、フルハシやソガに忠告するのではなく、さっさと犯人のクール星人を倒してしまえばいいことだ。しかしダンはそれをせず、道の先にある危険を報せただけだった。
これがウルトラセブン=モロボシダンの一貫した立ち位置だ。
セブンはあくまで地球人に協力するものであって、庇護したり保護したりするつもりはない。

これはおそらく『ウルトラマン』の反省から生まれた基本設定だろう。
『ウルトラマン』では人間が(はっきりいえば日本人が)国防をウルトラマンに依存してしまっている問題が露呈された。それはウルトラマン本人には人類の平和を守る理由が全くないことから発生した問題だった。理由もなく人類を守っているウルトラマンは、ただの戦闘代行者と見られても仕方がなかった。

が、『ウルトラセブン』は違う。セブンにはセブン本人に、地球の平和を守りたい理由があった。
それは「地球が美しい星」だからだった。

フルハシとソガを救出して防衛軍基地にやってきたダンは、アンヌに二人を助けてくれたお礼に何かプレゼントしたいと言われ、即座に「地球!」と答えている。

「そうです。僕が闘ったのは、ウルトラ警備隊のためだけではない。この美しい地球のためだ」
「さすがは風来坊さんね。スケールがあっていいわ。お望み通り、青く美しいこの地球を心をこめてあなたに差し上げるわ」
「ありがとう。宇宙広しといえども、こんなすばらしい星はないからね。僕はいのちをかけて地球を守るよ。悪魔のようなヒレツな手段で地球を盗もうとする宇宙人がウヨウヨしているからね」


どういうわけか以上の会話は放映された本編からカットされているので、宇宙船文庫『ノンマルトの使者 金城哲夫シナリオ傑作集』から引用してみた。
が、この会話がなくても本編にも採用されたアンヌのセリフ
「ダン、あなたの地球がピンチにたたされているのよ。何か敵を倒す方法はないの?」
だけでも十分だったのかもしれない。

とにかくセブンはまず、地球という星が好きになった。それから、そこに住む人間も(薩摩次郎の行為などを通して)好きになっていった。これはセブン個人の意思なので、周りがとやかく言えることではない。『ウルトラマン』が抱えてしまった問題は『ウルトラセブン』には最初から存在しないと言うわけだ。


セブン=ダンが協力者であって保護者ではないという描写は、続く第2話「緑の恐怖」ではかなり執拗に描かれている。金城哲夫はどうしても、まずその点を視聴者に理解しておいてほしかったのだろう。

石黒邸であやしげな金属の塊を見つけたダン。さっそく超能力で分析しようとするが
「おかしいぞ、透視できない。まてよ、この物質はどこかで見たことがある。そうだ、チルソナイト808。たしかワイアール星から産出される金属だ。地球には存在しないはずのチルソナイト808が何故こんなところに・・・」
と言いつつ放置するダン。
夜になってまたその金属の前を通るダン。
「まだある・・・。警察は一体どうしたんだ。多分、普通の金属だと思って気にも止めてないのだ。しかし、このまま放っておくわけにはいかん・・・」
と言いつつ、やはり放置するダン(笑)。

このように、ダンはウルトラセブンとしての力を使って人知れず事件の芽を摘んでいくようなことはしない。できるかぎり人間モロボシダンとして、ウルトラ警備隊隊員の行動範囲内で動こうとしている。
そうしたダンのスタンスは、事件がどんなに大きくなっても一貫したものだった。


つづく


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