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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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この怪獣は俺が殺る ~解散MAT

二人の隊長

『帰ってきたウルトラマン』のMATと、それ以前の科特隊・ウルトラ警備隊との最大の違いは、MATが常に解散の危機にさらされていたということにあるだろう。WikipediaにはMATについて次のような記述がある。

MAT(マット)とは Monster Attack Team すなわち「怪獣攻撃部隊」である。国際平和機構の地球防衛組織に属し、本部はニューヨークに置かれ、世界各国に支部がある。MAT日本支部は国家組織「地球防衛庁」に属し、東京湾の海底に原子炉を動力源とする基地を持ち、コールサインは「マットJ」。他に海岸沿いの地上発信口や地上オフィス(中央区神田錦二丁目・架空の場所)があり、宇宙ステーションも持つ。上層部から事ある毎に解散の圧力をかけられていたため、ファンの間では「解散MAT」の異名で呼ばれる事がある。


具体的に挙げればこうなる。

まず第6話「決戦!怪獣対マット
怪獣グドンとツインテールが出現し、東京で暴れ回る。この事態に防衛庁の長官は、水爆同等の威力を持つスパイナーという兵器の使用をMATに命じてくる。しかしスパイナーを使えば東京は廃墟になってしまう、と言って加藤隊長は反対し、代わりに至近距離から麻酔弾を打ち込む決死の作戦を提案する。このときの加藤隊長の気迫に、長官もその作戦をのんでくる。ただし「失敗したらMATは解散」という条件がつけられてしまう。

第14話「二大怪獣の恐怖 東京大龍巻
怪獣シーモンスは産卵のため東京に上陸する。このシーモンスを自衛隊が攻撃したため、怒った旦那のシーゴラスまでもが東京にやってきてしまう。「東京は二大怪獣に占領された」というナレーションが入る。このときの長官の言い草はこうだ。
「都民の間では、MAT不要論すらささやかれている」

第20話「怪獣は宇宙の流れ星
マグネドン退治に手こずるMATに対し、今度は防衛庁参謀のセリフ。
「あと一日だな? それでだめな時はMATは即時解散」。

第50話「地獄からの誘い
上野隊員が射殺した相手は、地底科学の権威、小泉博士だった。
「政府部内にはすでにMATを廃止すべしという声が高まっておる。今度の事件が明るみに出れば、MAT解散は時間の問題となろう」

以上、ぼくのメモでは4回記録されているが、もっとあったかもしれない。
とにかくこんな感じで、政府部内、東京都民はおろか、国防の中枢である「地球防衛庁」でさえMATを解散させたがっていることは明らかだった。だが、ここで注意すべきことは、実は実際に怪獣たちが一斉に出現するようになる以前から、日本にMATは存在していたということだ。
第1話冒頭のナレーションにあるように
「世界各地が異常気象に覆われている。日本列島でも毎日のように起こる小地震が不気味な地殻の変動を告げ、そしてついに怪獣たちが一斉に目を覚ました」
というような事態に備えて、MATはあらかじめ準備されていたというわけだ。

それにも関わらず、いよいよ怪獣が出現してみたらMATは不要だ解散しろ、とは一体どういうことか。
自衛隊が役に立たないことは第6話で証明済みだ。怪獣についての知識のない自衛隊は、ただただ大砲をぶっ放すだけで、ますます事態を悪化させてしまっただけじゃないか。
なのにMATは不要だからと解散させ、自衛隊は怪獣には全くの無力という状態で、一体どこの誰が都民の安全を守るというのか。

簡単なことだ。
都民も政府部会も地球防衛庁も、アメリカMAT本部に日本を守ってもらえばいいと考えているのだ。

第22話「この怪獣は俺が殺る
この回は、加藤隊長の宇宙ステーションへの転任から始まる。つまり左遷だ。残念がる郷に、加藤隊長はこういう。
「これでMATも大きくなるんじゃないか。本部からあれだけの人物が隊長として来るということは、それだけMATの地位が高く評価されている証拠じゃないか」
加藤に代わる新任隊長は伊吹。しかし彼はそのころ、”ニューヨークMATの一員として”、ニューヨークの巨大ゴミ処理場に現れた怪獣ゴキネズラと戦っていたのだった。やがてゴキネズラをMSミサイルで倒した伊吹はそのまま東京へ向かう。
ところが、今度は東京の巨大ゴミ処理場「夢の島」に、ニューヨークに現れたのと同じ怪獣ゴキネズラが出現してしまう・・・。

(この脚本を書いたのは市川森一。市川は『セブン』では上原と共同して2本の脚本を仕上げているくらいで、気心も知れた仲だったことだろう。もしかしたら、上原の謎掛けに対する、市川なりの解答だったのかもしれない)

東京とニューヨークの二つの巨大ゴミ処理場に、二頭の同じ怪獣が出現する。そしてこの両者を結んだ線上を、ニューヨーク本部で「あれほどの人物」として名を馳せた伊吹新隊長がフライトしてくる。
すると、そのとたん、あれほど解散を騒いでいた連中の声がぱたりと止んでしまった。実に22話から49話まで、シリーズ全体の半分以上だ。これは、「伊吹効果」以外の何ものでもないだろう。

邪推をするなら、ニューヨークMAT出身の伊吹がいれば、いざとなればニューヨークMATが救援に来てくれるだろう、と誰もが考えた。しかし待てど暮らせどニューヨークMATが来る気配がないので、シリーズ最後のころには再びMAT東京支部の不要論が叫ばれだした、といったところか。

いずれにしても、この「MAT不要論」の背景に、現実の日本社会で叫ばれる「自衛隊不要論」があることは言うまでもない。自衛隊以上に目立って派手な軍事活動を行うMATが存在するから、自衛隊のほうは一時的に忘れられているだけのことだ。
おそらく「国際平和機構の地球防衛組織」が世界各地にMATを設立していったときも、基地の置かれる東京はもちろん、日本中で反対運動が起きたに違いない。しかしあくまで「備え」だからと「国際平和機構」に説得されるかたちで、最低限の人員と装備で東京MATも創設されたのだろう。

だから実際に怪獣が現れて東京MATが活動を始めるや否や、解散、不要、の声がわき上がった。
日本人が戦う必要はない。ニューヨークMATに守ってもらえばいいじゃないか、と。

念を押すが、東京MATが弱いから不要で即時解散なのではない。
そもそもの初めから、「不要な存在」として東京MATは設立されたのだ。

長いのでつづく

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