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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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ウルトラマンA 男女合体変身その2 ~さようなら夕子よ、月の妹よ 

夕子

前回の続き

ウルトラマンが人間に示すものは「母性」。ウルトラマンの「父性」は怪獣に対して示される・・・。
そうだとすると、話は急にややこしくなってくる。

『ウルトラマンA』では、男性の北斗星司と女性の南夕子が合体して変身することで、父性と母性を兼ね備えた新時代のヒーローを表すはずだった。
整理すれば、父性+母性=ウルトラマンA、であり、北斗+夕子=ウルトラマンA、のはずだった。

ところが実際には、ウルトラマンは人間の子どもに父性を示すことはなく、それは変身前の北斗が担うものだった。北斗の父性と、ウルトラマンの母性が合わさって、ウルトラマンAになる。

・・・じゃあ、夕子はどうなるんだ?
夕子が人間への母性を示すことは、ウルトラマンのもつ母性と重複してしまうことになる。
そしてその一方で、夕子の母性との合体がなければウルトラマンAになれない北斗がいる。

かくして、まるでポッカリと空いた空間を埋めるように、南夕子の母性は北斗星司にだけ向かうことになる。それ以外に夕子に与えられた母性を発揮する場所はなかった。

そういった状況が究極の形で現れているのが、第20話「青春の星 ふたりの星」だ。
この回、北斗は休暇をとって個人的に不審な船舶の調査をしている。そこに超獣が現れる。これまでのウルトラマンだったら迷うことなく変身して、近隣の人々を守ろうとしただろう。しかし、北斗は現場にいるのに何もできない。そこへようやくTACの航空隊がやってくる。夕子は「星司さんが危ない」と乗っているタックアローで超獣に接近し、(故意に)海に落とされる。そしてようやく海中で合体変身にこぎつけることができた・・・。

はっきり言えば、『ウルトラマンA』はこのパターンの繰り返しだった。
最前線で戦う北斗は一刻も早くウルトラマンAになりたい。だが、そこに夕子はいない。ひたすら夕子の到着を待ち、ますますピンチに陥る北斗。
一方、夕子の方も早く北斗を変身させたい。もう頭の中はそのことで一杯で、北斗以外は目に入らない。だからいかにこの夕子の突撃が勇敢な行いであっても、そこには北斗への母性しか存在せず、視聴者の子どもたちに示すべき父性はない。
もちろん、夕子を待つだけの北斗にも、父性はない。

結局、最終的に北斗星司が父性を発揮できるためには、南夕子がウルトラマンAであることを辞める以外にはなかったわけだが、その別れ際の会話には男女合体変身の矛盾が完全に表れている。

第28話「さようなら夕子よ、月の妹よ」。
実は夕子は、かつて超獣ルナチクスにふるさとを廃墟にされた、月の住人の末裔だった。そして今、そのルナチクスをウルトラマンAは倒した。夕子はふるさとの再建のため、仲間の元に帰らなくてはならない。
夕子は、指にはめられたウルトラマンAの証し、ウルトラリングを抜いて北斗に渡す。

「これからは、あなた一人でウルトラマンAになるのよ」(夕子)
「おれ一人でウルトラマンAになれるだろうか?」(北斗)
「なれるわ」(夕子)

ここには、ウルトラマンAが出現するか否かの主導権は、実は夕子のほうが握っていたことがハッキリと見て取れる。
北斗はただ待っているだけで、そこに夕子が命がけで駆けつけてくる。かつてハヤタが、モロボシダンが、郷秀樹が子どもたちに示した勇気や強さは、『ウルトラマンA』では実は南夕子が示していたというわけだ。

ただし、夕子の勇気や強さがハヤタら先輩たちと違う点は、それが北斗星司ただ一人を助けたいがための勇気であり強さだった、ということだ。
残念ながら、それは父性ではない。そこには子どもたちが普遍的に学び取れる規範はない。


こうして、当時の最新の思潮である「男女平等」を取り入れた『ウルトラマンA』の第一の新機軸、男女合体変身は破綻した。もちろん、男女平等という考え方自体が悪いというわけではない。
ただ、『ウルトラマンA』においては、それは規範たるべき主人公から父性を奪い取る結果になった、というだけだ。

しかし実のところ、『ウルトラマンA』で父性を奪われたのは北斗星司だけではなかった。
それどころか、歴代ウルトラマンたちが示してきた地球人類への「母性」さえ、ウルトラマンAからは消失してしまったのだ。

つづく 


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