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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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仮面ライダー ショッカーとナチスドイツ

ヒトラーの秘宝

『仮面ライダー』の悪の組織ショッカーは、一般的に「ナチスドイツの残党」だと見なされている。

ショッカーの起源は、ナチス・ドイツに遡ると言われる。秘かに生き延びたその残党が、世界の覇権を握る夢をかなえるべく、組織したのがショッカーであった。かつてナチス・ドイツがドイツ民族の優越と反ユダヤ主義を綱領として採り入れたように、ショッカーはそうした選民思想を世界規模に拡大し、一部のエリート=改造人間による全世界の支配を企むのだ。(『Kodansha Official File Magazine 仮面ライダー 特別版 vol.1』より」


作中から拾うなら、こんなかんじだ。

第1話「怪奇蜘蛛男」では、他ならぬ本郷猛が「人体改造」を施され、秘密基地から逃走した緑川博士は暗殺された。
「ショッカーの狙いは世界各国の人間を改造し、その意のままに動かして世界征服を計画する、おそるべき団体なのである」(第1話ナレーション)
「改造人間が世界を動かし、その改造人間を支配するのが私だ。世界が私の意のままになる」(第1話ショッカー首領のセリフ)

第2話「恐怖蝙蝠男」ではマンション1棟が丸ごと「人体実験場」にされてしまった。

第3話「怪人さそり男」では、捕らえられた人々が「強制労働」をさせられていて、そのうちの10数名が集められると首領にこう言われる。
「ショッカー組織にあって、君たちは選ばれた改造人間にもなれず、また、戦闘員、技術員などに適応しない人間として死刑囚になった」
この人たちは、この後人体実験の対象にされて殺された。

第4話「人喰いサラセニアン」は、やはり人間を捕らえては改造しているという事件。

第5話「怪人かまきり男」は人工的に東京に大地震を起こそうとする陰謀。

第8話「怪異! 蜂女」では、「毒ガス」工場で働かされている人々に怪人ハチ女が言う。
「お前たちの中で優秀なものは改造し、このようにショッカーの戦闘員となって働いているのだ」

第9話「恐怖コブラ男」、第10話「よみがえるコブラ男」は日本政府が貯蔵する金塊を強奪しようとする話。

第11話「吸血怪人ゲバコンドル」、第12話「殺人ヤモゲラス」はまたも改造人間製造にかかわる「人体実験」に加え、「大量殺戮兵器」の製造も明かされる。

第13話「トカゲロンと怪人大軍団」では原子力発電所の破壊による東京の壊滅を目論む・・・。

という感じで、ショッカーを「悪」たらしめているキーワードをまとめれば、次の3点になるだろう。
・選民思想
・人体実験
・大量殺戮
いかにもナチスドイツでござい、というショッカーだが、番組自体、そのことを隠そうとはしない。
第3話にはこんなナレーションも入る。
「ショッカーはナチスドイツで研究されたという移植手術などの手法で、昆虫や動物の機能をもつ改造人間をつくっていた」


なるほど、悪のショッカーはナチス・ドイツの残党だった。ショッカーの「悪」は、ナチスドイツの行った「悪」の再現だった。仮面ライダーはよみがえったナチスドイツと戦っているのだ・・・。
と、素直に納得したくなるところだが、実はそうもいかなかったりする。

第6話「死神カメレオン」第7話「死神カメレオン・決斗! 万博跡」。
この2話にまたがる大作は、「ヒットラーの秘宝」にまつわるエピソードだった。ベルリンの陥落が間近に迫ったあるとき、ヒトラーは何兆円にものぼる秘宝の運び出しを命じた。いずれは自分も亡命し、第三帝国の再起を図るつもりだったのだ。

では、このときのヒトラーの亡命先とはどこだったか。
言うまでもないだろう。同盟国、大日本帝国だ。
秘宝は伊号155潜水艦に積まれ、砂田海軍少佐の手で日本に運び込まれた。ショッカーは元ナチスの党員、ハインリッヒ博士からその情報を得て、砂田を襲い、秘宝の隠し場所を吐かせようとした・・・。

このエピソードからは、ショッカー=ナチスではないことが分かると同時に、ナチスと大日本帝国の深い結びつきをうかがい知ることができるようになっている。日本という国は、「悪」の権化のようなナチスドイツの総統ヒトラーが、再起のための亡命先に選ぶような国だった。
それまで「悪」をナチスドイツに押しつけて安心して番組を楽しんでいたぼくらの上に、思いもよらない暗雲が垂れ込めてきた瞬間と言っていいだろう。ショッカーと過去の日本は、決して無縁な存在ではなかったのだ。

興味深い事実もある。
『仮面ライダー』のもっとも古い企画は、平山プロデューサーが提案した『マスクマンK』というものだったそうだ。ここにはすでに、悪の組織ショッカーの原型が構想されているのだが、なんとその首領は「クロード黒原」という日本人だった。

主人公・九条剛は私立中学・平和学園の新任体育教師である。彼の父・巌平は戦前に日本を離れ南米に移民した人物だが、共に現地で働いていた仲間のクロード・黒原が築いた富を元に秘密結社ショッカーを作り、現在の日本を食いものにしようとしている事実を知って急遽帰国。巌平は邸宅の地下の訓練所で息子の剛に特訓を施し、その結果剛は世界中の格闘技を身に付けた超人となった。ショッカーと戦う際に仮面に仮面を付けた彼こそがマスクマンKだった。(『仮面ライダー=本郷猛』より堤哲哉氏による要約)


ショッカーと日本は無縁な存在ではなく、それどころかそのオリジナルは日本人による日本破壊の組織でさえあった。結局はその「悪」をナチスドイツに押しつけはしたものの、そこには日本の「戦前」の陰が、確かに見え隠れしている。

ではそんな「悪」、ショッカーと戦った仮面ライダーの「正義」とは、何だったのだろう。

つづく

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