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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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人造人間キカイダー ジローの目的

光明寺家の人々

マンガ版の『人造人間キカイダー』は、要するに人造人間であるジロー=キカイダーの「自分探し」の物語だったので、ジロー以外の登場人物が描き込まれることはほとんどなかった。
と言っても、このマンガを読んだことがある人はそう多いとは思えないので、ざっとあらすじを・・・。


まず光明寺博士の自宅に近い研究所で生まれたジローは、襲い来るダークロボットと戦ってこれに勝った。しかし研究所は破壊され、博士の行方は分からない。続いて光明寺家がダークロボットに襲われ、これもジローが撃退するが、博士が残したメッセージのなかに、「良心回路」が完成できない場合はジローを破壊するように、という一文があることを聞いたジローは光明寺家から逃げ出してしまう。

あてもなく街をふらつくジローだったが、ミツコが依頼した服部半平という私立探偵に連れられて帰宅する。すると再び光明寺家がダークロボットに襲われ、ミツコが誘拐される。ジローはダークの手からミツコを取り戻したものの、自分がロボットであることに反発し、またもやミツコの前から逃げ出してしまう。

ジローが帰宅すると、ミツコと弟マサルはジローを探しに北海道に旅立っていた。ジローも後を追って北海道へ向かい、ミツコらと一緒にいたダークロボットを倒した。ところがミツコがそのダークロボットをかばうような発言をしたので、嫌気がさしたジローはアメリカに渡ってしまう。

ジローが帰宅すると、光明寺家がダークロボットに囲まれていたので、それらと戦闘。その途中、光明寺博士を目撃したジローは、連れ去られる博士を追ってダーク基地に。この後何があったのかは不明だが、またもや街をウロウロしているジローの前に、サブロー=ハカイダーが現れる。ハカイダーに悪魔笛を吹かれたジローは宝石店を襲った上に警官と乱闘、「良心回路」を完成してくれ~と騒ぎながら帰宅するが、そこでも悪魔笛を吹かれ、ミツコを襲ってしまう。ジローはハカイダーには歯が立たず、あっさり破壊されるとダーク基地に連行され、修理を受ける。が、この親切な措置は、ハカイダーの頭部に内蔵された光明寺博士の脳髄の意思によるものだった。これに怒ったギルはハカイダーを倒すが、復活したキカイダーの手でギルは殺され、博士の脳は元の体に戻される。意識不明の博士とともに、爆破炎上するダーク基地を脱出するキカイダーだった・・・。


と、このダーク基地全滅までがテレビ版の『人造人間キカイダー』と平行して描かれた前半部で、マンガ版はこのあとテレビ版の『キカイダー01』パートへとシームレスに続いていくわけだが、とりあえずここでは後半部分については触れないことにする。

とにかく言えることは、マンガ版はロボットアクションものにメロドラマを加えたもので、ジローがミツコに反発して家を飛び出していくことが物語展開の原動力になっている。また、そもそもジローはプロフェッサー・ギル率いるダークと戦うつもりはサラサラなく、自己防衛のための戦闘しか行っていない。

これはジローに搭載された(不完全な)「良心回路」の性質を考えれば当然の行動であって、「良心回路」は結局のところ、”悪魔笛の命令を聞かないこと”、以外の命令をジローに与えることはない。だから、人間の手で作られたロボットであるにも関わらず、ジローには生きる意味や目的がない。事ある毎に何かと街をフラフラとうろつくジローだが、まさにその姿こそが、この人造人間のデフォルトの姿だと言えるだろう。

で、マンガ版は要は現代風『ピノキオ』なので、これはこれで面白いんだが、テレビ版はそうもいかない。主人公が自分探し人間で自分にしか興味がなく、自己中心的かつ僻みっぽい、というのでは「正義のヒーロー」としてはふさわしいとは言えない。と言って、天才・石ノ森章太郎の初期設定を安易に変更することも、なかなか許されないことだろう。

それではその初期設定の中に何かテレビ向けに生かせるものはないか、と見ると、一つある。
ダークに研究所を襲われて行方不明になった光明寺博士・・・。
これは使える。

よく考えてみれば、ミツコとマサルの姉弟が父の行方を気にしないのは不自然だ。何とか探し出そうとするのが普通だろう。となれば、同じく光明寺博士の「息子」であるジローも彼らと一緒に「父」を探すことになり、ごく自然な展開として、光明寺をダークに連れ戻そうとするプロフェッサー・ギルとの激突が起こる。
しかもマンガ版には光明寺博士の現状についての記述はない。自由な設定が許されるだろう。

かくして、”記憶を失った”光明寺博士のダークからの本能的な逃走劇が始まり、それを追う子どもたちと、彼らを守ろうとするジローの旅が始まった。それはまた、プロフェッサー・ギルとキカイダーの激闘の始まりでもあった。
そしてテレビ版ではじめてジローに与えられることになった、彼の「目的」。この設定によって、『人造人間キカイダー』の核心である「良心回路」は、マンガ版とは全くことなる地平へと向かうことになるのだった。

つづく

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