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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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人造人間キカイダー ~ハカイダーの悪魔回路

ハカイダーショット

ハカイダーは光明寺博士が製作したうえに、ご本人の脳髄が頭部の透明ケースに収められている人造人間だ。もちろん光明寺博士がそれを望んだわけではなく、プロフェッサー・ギルに図られてしまってのこと。
マンガ版では、博士の脳という人質をとられたキカイダーがハカイダーを攻撃できない、という一点に絞られて話が進んでいくが、テレビ版ではもうひと工夫がされている。

それが、「良心回路とは正反対」とギルが言う「悪魔回路」のハカイダーへの搭載だ。
正反対というのだから、「悪魔回路」の機能を見ていくことで、キカイダーの「良心回路」の正体も分かるはずだ。
では、作中で「悪魔回路」はどう働いたのか。

ハカイダー誕生の瞬間、ギルは叫んだ。
「お前の敵はこの世にただ一人、キカイダーあるのみだ!」
その言葉通り、結論から言ってしまえば、それはどんなことをしてでもキカイダーを自分の手で倒す意志、として機能した。そのためにハカイダーは、味方のダークロボットの邪魔ですら、平気で行う。

第38話「ハカイダーがジローを殺す!」。
この回ハカイダーは、ダークロボット・ヒトデムラサキが光明寺ミツコとマサルの姉弟を襲うところに割って入り、その邪魔をした。泡を食って、
「きさま、ダークを裏切る気か!」
と騒ぎ立てるヒトデムラサキに対して、ハカイダー=サブローはこう言い放つ。
「おれはただ、人質作戦などという汚い手が嫌いなだけだ。帰ったらギルに伝えろ。余計な出しゃばりはするなとな」

第40話「危うしジロー!機能完全停止!!」。
この回もハカイダーは、やはりマサルを襲うキリギリスグレイの妨害をし、あざけるように言う。
「マサルたちに手を出すことはおれが許さん。おれはお前たちのように、命令通り動く低脳ロボットではない」

しかしハカイダーの暴走は、味方ダークロボットの邪魔をすることには止まらなかった。再三の命令無視を叱責しようとギルが本部に呼びつけると、こともあろうか司令室のドアをぶち壊して乱入し、ギルがまだ話をしている最中だというのに「そんな話は聞く必要がない」と言って、天井をぶち破って去っていった。首領の威厳を無視されたうえに、司令室をボロボロにされたギルは、怒髪天をつく勢いだ。

そうしてハカイダーは、ただひたすらジロー=キカイダーをつけ回し、その命を狙うわけだが、よく考えてみればハカイダーは決してギルを無視したり、その命令に違反しているわけではない。
ギルによって与えられた最初の命令、「お前の敵はこの世にただ一人、キカイダーあるのみだ!」を忠実に実行しているだけだ。

そしてこの時、仲間はおろか首領のギルでさえを、その目的達成のためには邪魔者扱いしようとするこの強靱な意志こそが、「悪魔回路」の機能だと言えるだろう。なぜなら、作品のどこにもハカイダーがいわゆる「悪事」を働く描写はないからだ。
ハカイダーは「悪魔」のように悪事を行うアンドロイドではない。
「悪魔」のような執念で、キカイダーの打倒・破壊を目指すのがハカイダーだ。

さて、それではその「悪魔回路」と「正反対」の機能をもつ「良心回路」とは何か?
キカイダーの生みの親、光明寺博士は第1話でこう叫んだ。
「戦え、戦うんだジロー!ジロー、ダークの陰謀を打ち破ってくれ!」

これこそが、本来キカイダーに与えられた命令だった。そして、ジローの状態では不完全な「良心回路」は、キカイダーにチェンジした後は”完全に”機能する・・・。

となれば、「良心回路」の正体は明白だろう。それは、ハカイダーがキカイダーを追うような執念でもってダークの基地を探し出し、プロフェッサー・ギルをこの世から抹殺するために機能する装置だ。
それならばギルが、「あれがやつの手に入って良心回路が完全なものにでもなれば、われわれダークは壊滅させられる・・・」と、あれほどまでに「良心回路」の完成をおそれたことにも説明がつくと思う。

しかし、ジロー自身はそんな「良心回路」の完成をずっと拒否してきた。
これは石ノ森のマンガ版では、完璧な「良心」が備わってしまったジローは人間より優れた人格をもつ存在になるから、「人間」になることに憧れているジローには受け入れられなかった・・・というようなニュアンスで表現されたが、テレビ版の”完全な”「良心回路」は「良心」あるいは<心>ではない。

それではテレビ版のジローは、なぜ「良心回路」の完成を拒絶し続けたというのか?
おそらくそれは、もうひとつの「良心回路」、すなわちハカイダーの「悪魔回路」の末路を、ジローが内心秘かに予感していたからだとぼくは思う。

そしてそれは、『仮面ライダー』に始まる石ノ森章太郎ー平山亨(東映)の生み出した数多のヒーロー像へのアンチテーゼとして展開されていったようにも、ぼくには思えるのだった。

つづく


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