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竹波エーイチ

Author:竹波エーイチ
1967年生まれのおっさん。
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正義のシンボル コンドールマン

敵の本拠はニューヨーク

武装した国連の職員が白昼堂々と東京都内を爆走し、徒党を組んで1人の怪人をなぶり殺しにする『秘密戦隊ゴレンジャー』が人気を集めていた1975年。この年、われらが川内康範も一人のヒーローを世に送り出した。
それが『正義のシンボル コンドールマン』だ。

『コンドールマン』の舞台は(おそらく)1975年当時の世界。
そこでは「みにくい人間の欲望からモンスター一族が生まれ出」ていた。金の亡者ゼニクレージーをはじめ、ゴミゴン、スモッグトン、ヘドロンガーといった幹部たちを率いる首領はキングモンスター。彼らは、ニューヨーク摩天楼のビルの一室を本部にすると、「公害・戦争・犯罪などあるゆる悪」をばらまく「人類征服作戦」を開始した。

主人公、三矢一心は国際平和運動グループ「世界の旗」のメンバー。一心は「世界の平和を話し合う会」に国連事務局次長キムトン氏を招いたが、現場をテロ組織に襲撃され、キムトン氏は一心をかばって狙撃されてしまう。
犯人を追ってアメリカ・ネバダ州まで渡った一心だったが、テロ団を背後で操っていたモンスター一族に攻撃され、同行したタバ老人と一緒に逃走する。そこで彼らが発見したのが、古代ムー帝国の守り神、ドラゴンコンドルの傷ついた姿だった。ドラゴンコンドルのタマゴに危険が迫り、それを守ろうとした一心は敵の銃撃を受けてあえなく死亡。タバ老人の手で荼毘に付される。

やがてタマゴは孵り、ゴールデンコンドルが無事に誕生すると、ドラゴンコンドルはタバ老人に言う。
「わたしは彼の心に報いるためにも、彼の母なる国、日本と、日本人の力になりたい。古代ムーの呪術者タバよ、最後に力を貸して欲しい。正義を守るコンドールマンを誕生させるのだ」
それを聞いたタバは、一心の遺骨の一部を祭壇に投じる。一心とコンドル親子がひとつに融合し、ここに「合成鳥人」コンドールマンが誕生した。

そのころ日本では、市場から砂糖をはじめとした甘味が姿を消していた。政府閣僚にすり替わったゼニクレージーの手で、大規模な食品の買い占めが始まっていたのだ。コンドールマンはたった一人で、この巨大な陰謀と戦うのだった。


コンドールマンが戦うモンスター軍団とは、要するに人間の欲望が具現化してしまった怪物たちだ。
そして彼らの本拠は、資本主義の総本山ともいえるニューヨークにある。

この『コンドールマン』の「悪」の設定からは、川内康範が考えた1975年当時の日本というものを、如実にうかがうことができるように思う。モンスター一族の首領は言う。
「日本人は欲のかたまりだ」
だから食いものを取り上げてしまえば、日本人は互いに争って自滅するだろう、と。
同じようなセリフは『レインボーマン』にもあった。
死ね死ね団首領のミスターKはこう言う。
「日本人は目先の欲得だけにあくせくしているぞ。そんなものの、どこに守る価値がある?」
そうした欲にまみれた日本人が生み出すスモッグやヘドロ、ゴミの山からモンスター一族が誕生した。

こういったセリフだけを見ると、まるで川内康範は日本人を憎悪しているかのようにも見えるかもしれない。自虐史観をまき散らすサヨク人間と変わらないという印象を持つ人もあるかもしれない。
が、もちろんそうではない。

そもそも川内康範のキャリアは「海外抑留日本人の帰国運動や戦没者の遺骨引き上げ運動」からはじまった。
さらには再三引用しているこの発言だ。

「なぜ僕が特攻隊の遺書を発表しようとしたかというと、戦後の日本の文壇には新日本文学会をはじめとして、『太平洋戦争は侵略であって、戦死した者はすべて犬死にだ。この国のこれまでの歴史はすべて否定されなければいけない』という論調が広まっていたんです。羽仁五郎とかはその最たる者だ。ぼくはそんな考えには同調できなくてね、読売新聞で反論した」(『篦棒な人々・戦後サブカルチャー偉人伝』河出文庫)


要するに、川内康範が怒っているのは「戦後」の日本と日本人について、ということだ。

このことは、最近ネット上を賑わしている、NHKの台湾についての偏向報道番組の問題と、ほぼ本質を同じくしているように思える。この番組の問題自体はこちらのブログでも見ていただくとして(「アジアの真実 」)、ここでぼくが「本質」というのは、親日・知日で日本統治の良い面を高く評価している台湾のご老人たちが、なぜ今なお、日本に対する不満を抱えたままでいるのか、ということだ。

それは結局のところ、日本の「戦後」に失望し、絶望しているからだ。
「戦前」や「戦中」ではない。もちろん上記の引用でいうところの「これまでの歴史」でもない。
それらを「否定しなければならない」としてスタートした「戦後」のほうに、台湾のご老人も、川内康範も怒っている。


それにしても、1975年の『コンドールマン』において、敵のモンスター軍団の本拠地がアメリカのニューヨークにあるというのは、東映特撮ヒーロー番組もいよいよ行き着くところまで行き着いたという感がある。
というのもぼくの見るところ、ヒーロー番組を虚心坦懐に眺めてみると、そこにはしばしばアメリカの「陰」というものが見え隠れするからだ。

というわけで、次回からはテーマを大きく変えて、70年代(一部は60年代)のヒーロー番組から、「アメリカ」を読み取る作業をはじめてみたい。

つづく

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